投稿日:2005-06-16 Thu
ニコンサロン エドワードスタイケン展を見る。1800年後半から1900年初頭に撮られた肖像写真35点。現在の写真と違い明らかに性能の劣るレンズとフィルムで撮影されたモノクロ作品の柔らかい表現は、まさに絵画のようにも感じる。同じ銀座の紙百科ギャラリーでは写真評論家・飯沢耕太郎の個展と題して、氏の選んだ日本の写真集18冊が展示してあった。
何冊かをのぞいて実際手に取り見ることができたが、60年代から80年代のもので中にはビンテージもので今では古書店でウン十万もするものもあった。
話には聞いていたが、実際初めて見るものもあり、とても楽しめた。なかでも印象に残ったものを2点。
土門拳の「筑豊のこどもたち」は写真学校の授業や、近代写真史などを読んでいると必ず出てくる写真集で、初めて見るそれの、ざら紙で作り印刷も余りよいとは言えないその質感は、筑豊の炭坑の貧困とそこに暮らす子供たちと、劣悪な労働条件の告発写真の強さは、見ているこちらもその時代に引きずり込まれる。
細江英公の「鎌鼬」やはり近代写真史で必ず出てくる写真集でやはり見たのは初めて。まずその判型の大きさと、田中一光デザインの装丁は素晴らしい。現在ここまでお金をかけられる写真集が果たしてあるだろうか。そして舞踊家土方巽の圧倒的な表現を、細江の大胆なカメラワークで撮影された作品は本を開き、そして折りたたまれたページを見開く行為によって、ページページの印象が深まっていく。結局34枚のページを開くのだが、見終わったあとはもっと沢山のイメージを見たような感覚が残った。
帰りがけついでに青山のon sunday(写真集やデザイン書などの専門の本屋)に寄った。すると先ほど見た「鎌鼬」が置いてあるではないか。店員に聞くと500部限定の復刻版だそうで、先月の5/10に発売されてた。
最近数々の昔の写真集の復刻版が出ているのを小耳に聞いてはいたが、実際見たのは初めてで、かなり人気が高くもう取次店にも無いそうで、ここにあるのが最後だと言われた。初版とまるっきり同じ作りで、今さっき見たばかりの写真集が目の前に!おまけにもうこれが最後と言われれば
「それください!」
私の心にも鎌鼬が吹いてしまいました。
細江氏の自筆サインとシリアルが入っていて483/500だそうだ。
値段?内緒です。

